漆黒の漆の面を月夜の大空にみたて、鎗金という技法で羽ばたく鳥を表現しています。 鎗金とは、漆面に刀で文様を刻み、その凹部に摺漆をした後、金箔や金粉を埋め金の線描を表す技法です。 室町時代頃に中国から日本に伝わり、日本では沈金と呼ばれています。 高橋はあえて自らの技法を鎗金と呼び、伝統的な沈金をもとにしながらも工夫を凝らした表現に挑戦しているのです。
これは、漆芸の世界に新しい息を吹き込もうと精力的に活動していた若き頃の作品です。彼は色漆を使い、艶やかで深みのある表現を追及しようとしました。 このように色漆を用いて描く技法は古くからあり、中でも法隆寺の玉虫厨子が有名です。昔は黒、朱、黄、緑など限られた色しか使用できず、乾燥するに従って色が沈んでしまうという難点がありましたが、明治時代以降は化学的な研究が進められ、数々の鮮やかな色が使用可能となりました。
作者の古代へのロマンが目映い星座となってあらわされています。 その満天の星空は金箔や銀箔、プラチナ箔などを貼りつけた箔押という技法です。 ここでは箔の表面を引っ掻いて変化をもたせ、深みと広がりを表現しています。 また、埴輪や鳥などは箔押した面から文様の部分だけを抜き、影絵のように浮かび上がらせています。